
WordPressでホームページを運用するうえで、レンタルサーバー選びは重要です。
単に「WordPressがインストールできる」というだけでなく、PHPやデータベースのバージョン、サーバーの応答速度、バックアップ、セキュリティ機能なども確認する必要があります。
この記事では、WordPress用レンタルサーバーを選ぶ際に確認しておきたいポイントを、具体的に解説します。
すでにレンタルサーバーを利用している方も、現在の環境に問題がないか確認する際の参考にしてください。
確認ポイント1:PHP・データベースの推奨バージョンに対応しているか
2026年10月現在、WordPress公式では次の環境が推奨されています。
| 項目 | WordPress公式の推奨環境 |
|---|---|
| PHP | PHP 8.3以上 |
| データベース | MariaDB 10.11以上 または MySQL 8.0以上 |
| HTTPS | 対応 |
WordPress自体は少し古いバージョン(PHP 7.4以上、MySQL 5.5.5以上)でも動作しますが、これらはすでに公式サポートが終了しています。サポートが切れたバージョンは、新たに脆弱性が発見されてもセキュリティ修正が行われないため、セキュリティ上のリスクが高まるため、継続利用はおすすめできません。
また、PHP 8.2は2026年12月末にセキュリティサポートが終了する予定です。MySQL 8.0も2026年4月にEOLを迎えており、MySQL公式ではMySQL 8.4 LTSなど、より新しいバージョンへのアップグレードを推奨しています。
これから新しくサーバーを契約する場合は、PHP 8.3以上、MariaDB 10.11以上またはMySQL 8.4 LTS以上を利用できる環境をひとつの目安にしましょう。
なお、現在使用しているPHPやデータベースのバージョンは、WordPress管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」から確認できます。
既存サイトでPHPを変更する場合の注意点
PHPのバージョンが古いからといって、すぐにPHP 8.3や8.4へ変更することはおすすめできません。
使用しているテーマやプラグインが新しいPHPに対応していない場合、エラーが発生したり、サイトが正常に表示されなくなったりすることがあります。
PHPを変更する際は、事前にバックアップを取得し、できればテスト環境でWordPress本体・テーマ・プラグインの動作を確認してから、本番環境に反映しましょう。
確認ポイント2:PHP・データベースを更新できるか
PHPやデータベースは数年ごとに新しいバージョンが登場し、古いものは順次サポートが打ち切られます。そのため、契約時点で利用できるバージョンだけでなく、将来的に新しいバージョンへ更新できるかどうかも重要です。
最近の大手レンタルサーバーであれば、PHPのバージョンを管理画面から簡単に切り替えられるサービスが一般的です。データベースについても、新しいバージョンへの移行手段が用意されています。
しかし、何年も前に契約した古いプランや旧サーバーのままでは、新しいバージョン自体が選択できないことがあります。契約中のサーバーが古い場合は、同じ事業者の新プランへ移行するルートが用意されているか確認しておきましょう。
確認ポイント3:無料SSLを利用できるか
通信を暗号化するSSLが無料で利用できるかどうかも、重要なポイントです。
現在、多くのレンタルサーバーで「Let’s Encrypt」などの無料SSLが提供されています。
「無料だから暗号化の強度が低いのでは?」と心配される方もいますが、「無料だから通信の暗号化強度が低い」というわけではありません。
企業の実在確認を行うOV証明書やEV証明書などが必要な場合を除けば、一般的なコーポレートサイトのHTTPS化には無料SSLで十分です。
確認ポイント4:データベースを含めた「自動バックアップ」があるか
WordPressは、本体のアップデート失敗や操作ミス、あるいは不正アクセスなどにより、突然サイトが表示されなくなるリスクがゼロではありません。万が一に備え、自動バックアップ機能が標準搭載されているサーバーを選びましょう。
ここで重要なのは、画像などの「Webサイトのファイル」だけでなく、記事の文章や設定データが詰まった「データベース」もバックアップの対象になっているかどうかです。
また、保存期間は最低でも過去7日分、できれば14日分以上あると安心です。さらに、管理画面から無料で簡単にデータを復元できるかも忘れずにチェックしてください。
確認ポイント5:WAFなどの「セキュリティ機能」が充実しているか
WAF(Webアプリケーションファイアウォール)とは、Webサイトへの不審なアクセスを監視し、攻撃に使われるような不正な通信を自動でブロックしてくれる機能です。WordPressの脆弱性を狙ったサイバー攻撃の対策として非常に有効です。
他にも、管理画面への「国外IPアクセス制限」や、パスワードの総当たり攻撃を防ぐ「ログイン試行回数制限」などがあるとより安心です。こうしたセキュリティ機能が追加料金なしで使えるサーバーをおすすめします。
ただし、WAFを有効にしているからといって、すべての攻撃を防げるわけではありません。WordPress本体・テーマ・プラグインを定期的にアップデートし、脆弱性を放置しないことが、セキュリティ対策の基本となります。
確認ポイント6:SFTPやFTPSなど「暗号化されたファイル転送」が使えるか
サーバーへファイルをアップロードする際、従来の「FTP」という通信方式を使うと、IDやパスワードが暗号化されずに送信されてしまいます。万が一通信を盗聴された場合、サーバーを乗っ取られる危険性があります。
安全にデータをやり取りするためにも、通信が暗号化されるSFTPやFTPSといった転送方式に対応しているサーバーを選びましょう。
確認ポイント7:サーバーの「応答速度」は十分か
サーバーの処理能力や応答速度は、サイトの快適さに直結します。サーバーの性能が不足していると、次のような悪影響が出ます。
・ページの表示が遅くなり、訪問者がイライラして離脱してしまう(問い合わせの機会損失)
・管理画面の動作が重くなり、記事の更新や保存に時間がかかる(タイムアウト・エラーの発生)
・アクセスが少し集中しただけでサイトが閲覧不可になってしまう
快適な表示速度を実現するカギ:サーバースペックの目安
応答速度を左右する「サーバーの基本スペック」は、契約前に必ずチェックしておきましょう。現在のWordPress環境をサクサク動かすためには、以下の条件を満たしているかがひとつの目安になります。
ストレージ:高速な読み書きを期待できる「NVMe SSD」
NVMe SSDを採用しているサーバーは、従来のHDDやSATA SSDと比べて高速なデータの読み書きを期待できます。ページを表示するたびにデータベースや多数のファイルへアクセスするWordPressにおいては、とくに重要なポイントといえます。
CPU・メモリ:十分な割り当てと「リソース保証」
CPU・メモリについては、サーバー全体のスペックだけでなく「1契約あたりに確実に利用できるリソース(例:メモリ8GBなど)」が確保されているかを確認しましょう。最近は、他人のサイトにアクセスが集中しても自分のサイトが重くならない「リソース保証」を採用するサーバーが増えており、安定性を重視するうえで非常に参考になります。
もちろん、表示速度が遅い原因はサーバーだけとは限りません。重い画像の多用や、不要なプラグインなどが原因になることもあるため、WordPress側の最適化もあわせて行うことが大切です。
スペックだけでなく、実際の動作も確認しましょう
無料お試し期間などを利用できる場合は、WordPressを設置し、ページの表示や管理画面の操作がスムーズかを確認しましょう。
すでに運用中のサイトは、PageSpeed Insightsなどで表示速度と改善項目を確認できます。ただし、測定結果には画像やプラグイン、通信環境なども影響するため、数値だけでサーバーの性能を判断しないことが大切です。
プランは標準的なもので十分
ここまで7つのポイントを紹介しましたが、これらは決して高額な上位プランでないと満たせないわけではありません。
会社案内、サービス紹介、ブログ、お問い合わせフォームなどで構成される一般的なコーポレートサイトであれば、月額1,000円前後から利用できる標準的なプランで十分に対応できます。
ただし、大規模なECサイトや会員制サイト、あるいはアクセス数が膨大なメディアサイトを運営する場合は、より処理能力の高い上位プランや専用サーバーを検討してください。
こんなサーバーは移行のサイン!見直しチェックリスト
長期間同じレンタルサーバーを利用している場合、契約当時は問題のなかった環境でも、現在のWordPressには適さなくなっていることがあります。
ここまで紹介した7つのポイントをもとに、現在のサーバー環境を確認してみましょう。
次のような状態に当てはまる場合は、サーバーの移行を検討することをおすすめします。
| 確認ポイント | 移行を検討すべき状態 |
|---|---|
| 1.PHP・データベースのバージョン | サポート終了済み、または終了が近いバージョンしか利用できない |
| 2.PHP・データベースの更新 | 新しいPHPやデータベースへ更新できず、新プラン・新サーバーへの切り替え手段もない |
| 3.無料SSL | 無料SSLに対応していない |
| 4.自動バックアップ | 自動バックアップ機能がない、またはデータベースがバックアップ対象外 |
| 5.セキュリティ機能 | WAFなどの基本的なセキュリティ機能がない |
| 6.ファイル転送 | SFTP・FTPSなど、暗号化されたファイル転送方式を利用できない |
| 7.応答速度・安定性 | WordPress側を最適化しても応答が遅い、またはサーバーのリソース不足によるエラーが頻発する |
特に、PHPやデータベースのバージョンが古く、新しいバージョンへ更新できない場合は注意が必要です。サポートが終了した環境を使い続けると、セキュリティ上のリスクが高まるため、早めに対応を検討しましょう。
また、現在のサーバーで新しい環境を利用できない場合は、無理に使い続けるよりも、新しいレンタルサーバーへ移行した方が安全な場合があります。
重要なのは、「現在WordPressが動いているか」だけでなく、「数年後も安全・快適に運用し続けられるか?」という視点を持つことです。
ぜひこの機会に、現在のサーバー環境を見直してみてはいかがでしょうか。
サーバー選びに困ったらプロに相談
ここまでWordPress用サーバーの選び方を解説してきましたが、「専門用語が多くてよくわからない」「自社サイトにどのサーバーが適しているのか判断できない」と悩まれる方も多いかもしれません。
また、すでに運用中のサイトを新しいサーバーへ引っ越す(移行する)作業は、データベースの操作やDNS設定を適切に引き継がないと、Webサイトが表示されなくなったり、メールの送受信に影響が出たりする可能性があります。
もし、サーバー選びや移行作業に少しでも不安を感じた場合は、無理をせずにWordPressやサーバーに詳しい専門業者に相談することをおすすめします。
WPPLUSでは、WordPressサイトのサーバー環境の確認や、PHP・データベースのバージョンアップ、レンタルサーバーの移行などにも対応しています。
現在のサーバー環境に不安がある場合や、サーバーの乗り換えを検討している場合は、お気軽にご相談ください。















