セキュリティ対策

WordPressバージョンアップの手順と注意点を解説

津久井 隆行
津久井 隆行
WordPressバージョンアップの手順と注意点を解説

PHP更新の警告が出ていませんか?

最近、「WordPressのバージョンアップ」についてのお問い合わせが増えています。

特に多いのが、管理画面に表示される次のような警告メッセージを見て、不安になられてお問い合わせをいただくケースです。

PHPの更新を推奨
このサイトは古いバージョンのPHP (X.X.XX) を実行しており、セキュリティアップデートを受け取れません。更新する必要があります。

2026年3月現在、最新バージョンである WordPress 6.9.4 では、PHP 8.3以上の環境が推奨されています。

古いPHPを使い続けていると、セキュリティアップデートが提供されないだけでなく、プラグインやテーマが正常に動作しなくなる可能性があります。その結果、表示崩れやエラーの発生、最悪の場合はサイトが表示されなくなるといったリスクもあるため、警告を放置することはおすすめできません。

ただし、「とりあえず更新ボタンを押す」だけでは解決しないのが、WordPressバージョンアップの難しいところです。

安全にバージョンアップを行うためには、対象となる要素を洗い出したうえで、順番を考慮しながらバージョンアップを進めることが必要となります。

WordPressバージョンアップに必要な5つの要素

WordPressの更新というと「WordPress本体のアップデート」を思い浮かべる方が多いのですが、それだけでは十分とは言えません。実際には、次の5つの作業をセットで考える必要があります。

・ WordPress本体のバージョンアップ
・ PHPのバージョンアップ
・ データベース(MySQL / MariaDB)のバージョンアップ
・ WordPressテーマのバージョンアップ
・ WordPressプラグインのバージョンアップ

WordPress本体だけを最新にしても、他の要素が古いままだと不具合が発生する可能性が高くなります。
PHPやデータベースなど、周辺環境も含めて全体のバランスを見ながら計画的に更新することが重要です。

それでは、一般的に推奨されるWordPress環境の更新手順を見ていきましょう。

WordPressバージョンアップの基本的な流れ

1.サイト全体のバックアップの取得

作業開始前には、必ずWordPressサイト全体のバックアップを取得しましょう。
レンタルサーバー等にもバックアップ機能はありますが、問題が発生した際に簡単に元に戻すことができる、下記プラグイン等の利用をおすすめいたします。

参考:UpdraftPlusによるバックアップの取得方法

2.プラグインのバージョンアップ

最初に、現在使用しているプラグインをすべて最新バージョンに更新します。
更新する際には、次の点に注意してください。

  • プラグインの最新バージョンが、PHP 8.3 および 最新のWordPress に対応しているかを確認しましょう。もし対応していない場合は、プラグインの利用の停止、もしくは他プラグインへの切り替えを検討しましょう。
  • 更新対象のプラグインが複数ある場合でも、まとめて更新するのではなく、1つずつ更新するようにしましょう。1つずつ更新することで、問題が発生した場合に原因を特定しやすくなります。
  • 長期間更新されていないプラグインは、削除するか、代替となるプラグインへの切り替えを検討しましょう。更新が止まっているプラグインはセキュリティリスクが高く、外部からの攻撃の入り口として悪用される可能性が高いとお考え下さい。

WordWordPressを長く運用していると、どうしてもプラグインの数が増えてしまいがちですが、その中には、現在は使用していないプラグインも含まれているのではないでしょうか。
プラグインは外部からの攻撃の対象としてもっと狙われる部分でもありますので、使用していないプラグインがある場合は、この機会に削除することをおすすめします。

3.テーマのバージョンアップ

テーマの更新方法は、使用しているテーマの種類によって異なります。

まずは、現在使用しているテーマの最新バージョンが PHP8.3および最新のWordPress に対応しているか確認しましょう。
もし対応していない場合は、エラー発生のリスクやセキュリティ面の不安があることから、別のテーマへの切り替えを検討することをおすすめします。

最新のWordPressに対応している場合は、検証環境等で動作確認をしたうえでバージョンアップを行いましょう。

WordPressの公式テーマとして登録されているテーマに関しては、通常WordPressの管理画面上から簡単に更新可能です。もし公式テーマに登録されていない場合は、テーマファイル自体をサーバーにアップロードして、更新を行いましょう。

オリジナルテーマの場合は、更新版が提供されないため、自分でテーマを改修する必要があります。
まずは、最新のWordPressとPHP環境で構築した 検証環境(テストサイト) を用意し、テーマ更新後の動作確認を行いましょう。
「Fatal error(致命的エラー)」や「Warning(警告)」などが発生している箇所を特定し、問題のあるプログラムを修正した後、修正版のテーマを本番環境にアップロードしましょう。

4.WordPress本体のバージョンアップ

WordPress本体のバージョンアップは、WordPressの管理画面からワンクリックで実行できます。
ただし、使用中のWordPressのバージョンがかなり古い場合は注意が必要です。

たとえば、バージョン4や5から一気にバージョン6へアップデートする場合、表示崩れやエラーが発生する可能性が高いとお考え下さい。場合によっては、サイトが正常に表示されなくなることもあります。

このようなケースでは、いきなり本番サイトを更新するのではなく、検証環境(テストサイト)で事前にアップデートを試すことをおすすめします。

5.PHPのバージョンアップ

PHPのバージョンアップは、一般的にレンタルサーバーの管理画面上で切り替えを行います。
ここで注意したいのは、PHPのバージョン設定がサーバー全体またはドメイン単位で適用されることが多いという点です。

例えば、1つのサーバーで複数のWordPressサイトを運営している場合、他のサイトのPHPバージョンも一緒に変更されてしまうことから、古いテーマやプラグインを使用している別のサイトでエラーが発生する可能性があります。

このようなトラブルを防ぐためにも、PHPを更新する際には、同じサーバー内に他のサイトが存在していないかを必ず確認しましょう。もし複数のサイトがある場合は、すべてのサイトへの影響を考慮した更新計画を立て、慎重に作業を進めることが重要です。

6.データベースのバージョンアップ

データベースのバージョンアップは、サーバー上に新しいバージョンのデータベース環境を用意し、そこへ既存のデータを移行する方法が一般的です。

また、WordPress 6.9.4(2026年3月時点)で推奨されているデータベース環境は以下の通りです。

項目推奨バージョン
MySQL8.0以上
MariaDB10.6以上

基本的には、上記のバージョン以降のデータベース環境を使用することが推奨されますが、レンタルサーバーによっては、すでにサポートが終了している古いデータベース(MySQL5系など)しか提供していない場合もあります。
そうした場合は、最新のデータベースを提供している他のレンタルサーバーへの移転も検討しましょう。

データベースのバージョンアップでは、新規データベースの作成データ移行作業が必要になります。もしデータベースの操作に自信がない場合は、専門の業者に依頼することをおすすめいたします。

バージョンアップ時の注意事項

ここまで紹介してきた内容に加えて、次の点にも注意が必要です。

ステップごとにバックアップと検証を行う

一気にすべてを更新するのではなく、「主要プラグインの更新後」「本体の更新後」など、工程の節目でバックアップや動作確認を行いましょう。これにより、万が一トラブルが発生した場合でも、すぐに元の状態に戻すことができます。

アクセスが少ない時間帯に作業する

WordPressやテーマ、プラグインの更新中は、数秒〜数十秒程度サイトがメンテナンスモードになります。
ユーザーへの影響を最小限にするためにも、できるだけアクセスの少ない時間帯に作業を行いましょう。

参考)更新時に表示されるメッセージ

まとめ:安全なアップデートのために

WordPressのバージョンアップは、単なる「更新作業」に見えるかもしれません。

しかし実際には、サーバー環境・データベース・テーマ・プラグインなど、さまざまな要素が関係しています。
何も考えずにPHPだけを更新すると、サイトが突然表示されなくなる可能性もあります。

もし、「バックアップの取り方がわからない」、「エラーが出たら自力で直せる自信がない」とお悩みでしたら、ぜひ弊社の「WordPressバージョンアップサービス」をご検討ください。

システム更新だけでなく、サーバー移転による月額コストの削減などもご提案可能です。

まずは現状の診断からの対応もうけたまわりますので、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

津久井 隆行
津久井 隆行
金融、通信業界等の大規模システムの開発、マネージメントに従事。
WordPressサイト制作サービス「WPPLUS」を展開。
AI、DeepLearningについての知見も。
JDLA Deep Learning for Engineer
JDLA Deep Learning for General

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